顎関節治療
顎関節治療

顎関節症は、「口を開けると音がする」「あごが痛い」「大きく開けられない」といった症状として現れ、日常生活や食事、会話にも大きな影響を及ぼす疾患です。しかしその原因や病態は一つではなく、関節・筋肉・噛み合わせ・生活習慣など、複数の要素が複雑に関係しています。当院では、症状だけを追うのではなく、「なぜその症状が起きているのか」を科学的に評価することを重視しています。
昭和医科大学歯科病院では、補綴科と顎関節治療科が密接に連携し、噛み合わせと顎関節・筋機能を一体として捉える診療体制が確立されています。当院の院長および顧問歯科医師は、この環境の中で長年、臨床・研究・教育に携わってきました。その知見を活かし、地域の歯科医院でありながらも、大学病院水準の診断基準と治療方針に基づいた顎関節症治療を提供しています。また、症状・病状によっては昭和医科大学顎関節治療科に紹介を行っております。
当院では、顎関節症治療の一環としてドーソンテクニックの考え方を取り入れています。ドーソンテクニックとは、「顎関節が安定した正しい位置にあることが、健康な噛み合わせと全身のバランスの基礎になる」という理論に基づいた診断・治療アプローチです。
顎関節の位置、歯の接触状態、咀嚼筋の緊張、顎の動きの軌跡などを総合的に評価し、関節と噛み合わせの調和が取れた状態を目指します。これにより、単なる痛みの緩和にとどまらず、症状の再発予防や長期的な安定性を重視した治療が可能となります。
顎関節症は、原因や病態によっていくつかのタイプに分類されます。代表的なものは以下の通りです。
筋肉性顎関節症
(筋・筋膜性疼痛)
噛みしめや歯ぎしり、ストレスなどにより、顎やこめかみ周囲の筋肉が緊張し、痛みやだるさが生じるタイプです。
関節円板障害
顎関節の中にあるクッションの役割を果たす「関節円板」がずれることで、口を開けたときの音(クリック音)や開口障害が起こります。
変形性顎関節症
関節の骨や軟骨に変形が生じ、動かすときの痛みや違和感、動きの制限が現れるタイプです。
実際には、これらが単独で起こることもあれば、複数が重なって症状を引き起こしている場合も少なくありません。そのため、正確な分類と原因分析が、適切な治療選択の第一歩となります。
当院では、検査結果と症状の程度に応じて、以下のような治療法を組み合わせて行います。
精密検査・機能分析
口腔内検査、噛み合わせの評価、顎の動きの確認、必要に応じた画像診断などを行い、原因を多角的に分析します。
スプリント(マウスピース)療法
夜間の噛みしめや歯ぎしりから顎関節や筋肉を保護し、関節の安定した位置を誘導する治療法です。
噛み合わせの調整・補綴治療
被せ物や詰め物、入れ歯などが噛み合わせに影響している場合には、補綴学的視点から調和の取れた咬合を再構築します。
生活習慣・セルフケア指導
姿勢、食事のとり方、日常の癖(頬杖・うつ伏せ寝・片側噛みなど)についても丁寧にアドバイスし、再発予防を重視します。
顎関節症は、短期間で完結する治療ではなく、経過を見ながら段階的に改善を目指すことが大切です。当院では、大学病院で培った専門的知識と、地域密着型クリニックならではのきめ細やかなフォローを両立させ、患者様一人ひとりに合った治療計画を立案しています。
「あごの違和感は年齢のせい」「そのうち治るだろう」と我慢してしまう前に、ぜひ一度ご相談ください。精密な診断と専門的な視点から、安心して噛める、快適な日常生活を取り戻すお手伝いをいたします。
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